
萩谷 聡氏

株式会社ANOBAKA/パートナー 萩谷 聡
シード特化のVCを行っている株式会社ANOBAKAパートナーの萩谷です。
“Empowering Mad Dreams”をビジョンとしてシード期のITスタートアップを対象としたベンチャーキャピタルのファンドを運営しています。既に100以上の投資を行い、多くの企業がスケールを実現し、新たな価値を多くのユーザーに届けています。
2年前のシード投資後、プロダクトのアップデート、オペレーションの磨きこみを行い、大きな成長を見せたHANOWAに追加出資ができ、大変ありがたく思います。
歯科医院、歯科衛生士双方に確かな課題があり、両者がHANOWAのプラットフォームに参加し、着実に大きなエコシステムになっています。
今回の資金調達を機に更なる発展を見せ、HANOWAが医療従事者の方の新たな働き方を再定義していくのを期待しています。
出会いのきっかけと最初の印象
最初代表の新井さんと大阪のカフェでお会いした時は事業の構想段階でした。ただそこには代表の新井さんの歯科領域、そして医療領域の課題を解決したいという強い想いがありました。正直最初はITスタートアップというイメージはありませんでしたが、丁寧に業界の構造や課題、そしてHANOWAの事業モデルを説明いただく姿に信頼できる経営者であると感じたのを覚えています。
投資を決めた理由
HANOWAに調達を決めたのは主に3つです。まずは少ない資金でプロダクトを立ち上げしっかり顧客課題に刺さるソリューションを提供してきたチームの事業推進力、歯科業界の人手不足が想像以上に大きな課題で、不十分なサービスでありながら熱量高く利用するユーザーが複数いたこと、そして代表の新井さんの経営者として成長力です。上記3つから投資を意思決定しましたが、投資して数ヶ月でまさに上記は正しく、力強く成長しています。
マーケットポテンシャル
まずHANOWAがターゲットにしている、人手不足のマーケットはどの市場も大きいですが、間違いなく医療有資格者のマーケットは大きく伸びるポテンシャルを秘めています。副業やフリーランスが当たり前になっている世の中で医療人材にも働きやすい環境が提供されることは必須です。歯科領域でまずは広めてから、薬剤師、看護師領域など横断的に医療従事者の新しい働き方を支援していって欲しいと思います。
競合優位性
歯科領域で事業を展開する企業はいくつかありますが、一番課題の強い人材領域から事業を進めるのは参入する上で素晴らしいと思います。またマッチングプラットフォームですので、非常にネットワーク効果が働きやすく、先行優位性が効いて、回り出せば優位性としては維持しすいと思います。また人材から顧客価値を提供できると人事システムや経理システムなどへのアプローチもしやすくなり、バーティカルSaaSとしての成長も期待できます。
投資時点でのマーケットフィット
投資検討時点では正直プロダクトのレベルとしてはまだまだで穴が空いていた状態でしたが、それでも月に何十回も利用する歯科や、ワーカーサイドの歯科衛生士がいたのが衝撃でした。これは解決すべき課題がそこにあり、しっかりプロダクトを磨き込み、歯科、ワーカー両サイドへのCSをしっかり築き上げれば伸びていくことは間違いないと思いました。
エクイティストーリー
今後はまず歯科領域で突き抜けることが重要だと思います。歯科領域で歯科衛生士に止まらず、歯科医師、歯科技工士、歯科助手などにも広げ、歯科領域で必須のサービスとしてスケールを目指したいと思います。その後、歯科領域での新規事業もしくは薬剤師、看護師などの多面的にプラットフォームを拡充など、スケールを目指すと思います。いずれにしても医療業界の人手不足はさらに加速し、誰かが解決しなければいけないところですので、HANOWAには枠にとらわれない新しい価値を提供し続けていって欲しいと思います。